こんにちは。最近読んだ本に、❝ことばのくすり(稲葉俊郎・著)”という本があり、とてもためになったので、読み終えての感想を綴ります。
この本は、大きく5つの章に分かれて書かれています。
未明のことば、朝のことば、昼のことば、夜のことば、休みのことば、の5つです。
未明のことばの中で、印象に残っているのは、”死について”と“不満と不眠”と“意識の無意識”の三つの文章です。
“死について”では、死には一人称の死と二人称の死と三人称の死があるといいます。
この中で私にとって勉強になったことは二人称の死について書かれていたことです。
つまり大切な人の死についてです。
それは想像もしたくないほど悲しいことだと想像できます。だから私は大切な人の死に対する恐怖を抱くし、その大切な人を大切にしようと強く思います。
しかしそれは大切にされる人にとっては窮屈で本位ではないことだったりすると思いました。
稲葉さんが書いているように、大切な人の死を前にしてもっとああすればよかったとか思うことこそが、後悔を伴う悲しみにつながるということなんだろうと思いました。
そしてそうであれば著者が書いたように、ともにどう生きていくかにたえず目を向け、(大切な人に誠意を尽くして愛を尽くして)大切な人の思い、人生を尊重して,”大切な人が悔いなく生きること”を尊重して”共に生きること”が悲しみを緩和する唯一の道だと思いました。このことを常に考えながら接していくことが重要だと思ました。
“不満と不眠”ではクレーム対応の神髄について書かれていて気持ちの切り替え方としてとてもためになりました。
“意識の無意識”では、怒りの底には何があるかなど書かれていて相手の怒りについてどう対応するかと考えるときの心の持ち方をどうすればいいかという点でとても参考になりました。
朝のことばの中で、印象に残っているのは、朝というのは自分次第で気持ちの切り替えをしたりして気をつけて過ごすことで、新しい心で生きていくきっかけになる時間だというようなことが書かれていたことです。
放てば手に満てりという言葉に感銘を受けました。
また、”朝食と世界”を読んで、心の栄養失調にならないためには、芸術や文化に触れる機会を作ることが生きていくうえで重要なのだということが伝わってきました。誰かと一緒に美術館に行って作品について語り合ったり、一人で芸術に触れて、ふとした時にそれを思い出して、❝それについて考える時間を持つ❞という❝心に余裕を持つこと❞が、結果的に心の栄養となるのではないかと思いました。
昼のことばの中では、‟ストレスと仲よくする方法”についてがとても参考になりました。
ストレスを感じながら生きていく以上、ストレスを心の中でどう位置付けるかが重要だとわかりました。
ストレスは人と人との距離感に由来するのではというようなことが書かれており、とても参考になりました。
‟自分という場”で書かれていることは、不登校になっている子どもの気持ちを理解したいと思っている方に少し参考になるのではないかと思いながら読みました。
夜のことばの中では、‟眠りこそはすべて”の文章で、眠る時間と起きている時間の捉え方が書かれており、眠りづらい人にとっても参考になるのではと思いました。
❝嗜好品の今昔❞についての文章では、嗜好品に対して過剰にはまってしまう人とはまらない人の違いについて書かれておりとても参考になりました。両者の分かれ目は何なのかが興味深かったです。
休日のことばの中では、”旅”についての文章が、(特にインドの話)体験記としてとても面白かったです。
❝祭りの効能❞では未来に生まれてくる子供たちを守るためにも祭りの持つ倫理感が大切だということが詳しく書いてあり、面白い視点でハッとさせられました。
この本は33篇からなり、どの章の文章も、生きづらさを感じてる人にとっても、そうでない人にとっても、何か生きていくうえでのヒントがたくさん書かれているなと思いました。
最初ちょっと難しい本かなと思いましたが、わかりやすく、読んでよかったなと思いました。他の稲葉さんの本も読んでみようと思います。興味を持った方はぜひ読んで見てください。